液晶物質における電子伝導の発見以来、液晶物質は自己組織的に分子配向を持つ凝集相を形成する新しいタイプの有機半導体(液晶性有機半導体:Self-Organizing Molecular Semiconductors:SOMS)として認識されるようになり、その後、高移動度をもつ液晶物質の探査、ユニークな電気特性の解明、デバイス応用などに関する研究が継続的に行われてきました。
しかしながら、液晶物質における電子伝導の確立から 20 年が経過し、有機半導体としての高い発展の可能性が明らかにされたにもかかわらず、この課題に興味をもつ研究者が集い、最新の研究成果を共有し、関連する興味について議論する場がありませんでした。それは液晶と有機半導体との境界領域であることもその理由の一つと考えられます。
こうした背景のもと、科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(CREST)における国際強化の支援を受けて、2012年2月21・22日の 2日間にわたり、第1回液晶性有機半導体国際シンポジウムが東京工業大学 蔵前会館にて開催されました。この会議では18件の論文と30件のポスター発表が行なわれ、国内29企業からの参加者を含めて111名の参加がありました。
有機 FET や有機太陽電池などへの液晶性有機半導体の工業的な応用に興味が拡大するなか、液晶性有機半導体に関する研究の現状を知り、最先端の研究成果を共有し、今後のさらなる展開を図るための議論の場として、2014年2月27・28日に東京において、第2回液晶性有機半導体国際シンポジウムを開催することにいたしました。本シンポジウムでは、有機半導体としての液晶物質に関する分子設計、合成、電気伝導に関するモデル化と理論解析、材料物性評価、デバイス作製のためのプロセス技術、デバイス応用などについて、最先端で活躍する研究者を世界中からお招きし、講演をいただくとともに、関連する研究者の研究成果の発表・議論の場となることを期待しております。奮ってご参加いただきますよう、ご案内申し上げます。
日時 |
2月27、28日 |
場所 |
大岡山キャンパス 蔵前会館 くらまえホール (最寄り駅: 東急目黒・大井町線大岡山駅前) 東京都目黒区大岡山 2-21-1 |
お問い合わせ先
像情報工学研究所 半那純一
電話 045-924-5188
E-mail: soms@isl.titech.ac.jp