2015年から始まった東工大コンサートシリーズ(Art Meets Engineering@Tokyo Tech)の2017年は、若者たちの祭典。東京藝術大学と東京工業大学の学生+最近の卒業生を中心とするガラコンサートをお送りします。そして、後半には、みなさんにぜひお聴きいただきたい20世紀室内楽作品の屈指の傑作「世の終わりのための四重奏曲」をとりあげます。
前半は藝大の若きヴィルトゥオーゾたちと東工大の学生たちが、色とりどりの作品を演奏します。東工大は理工系の大学ですが、趣味のレベルを超えた音楽家がたくさんいます。当日は、そんな彼らのトークも含めてお楽しみいただきたいと思います。
後半は、フランスの作曲家、オリヴィエ・メシアン(1908 - 1996)がドイツ軍の捕虜収容所(ドイツとポーランドの国境付近)で出逢った音楽家たちと自分のために作曲し(1940年)、翌年1月、極寒のバラック小屋の中で初演した「世の終わりのための四重奏曲」をお送りします。メシアンは、この寒さと飢えに苦しんだ捕虜生活中に「視覚連想」(色彩と聴音との内的同時性)を獲得したとしています。そして、彼独特のリズムや旋法の確立や、鳥の歌へのこだわりを含めて、20世紀の音楽に大きな流れをつくりました。その記念碑的作品が本作です。メシアンの楽派からは、ブーレーズ、シュトックハウゼン、クセナキス、ミュライユ、別宮貞雄、矢代秋雄といった才能が巣立ち、武満徹らにも大きな影響を与えています。
「世の終わりのため」という死を意識するようなタイトルですが、決して暗い音楽ではありません。その色彩感あふれる音楽の中に「希望」が感じられると思います。音楽の構成は「ヨハネの黙示録」の第10章に基づいていますが、当日、簡単なプレトークで紹介いたします。
入場無料で、学内外問わず、どなたでもご参加いただけます。会場も普段より大きな講堂を使用します。大岡山で、芸術の秋を味わってください!
開催概要
日時 |
2017年11月9日(木)17:30 前半開演、19:00 後半開演(17:00開場、20:00終演予定) |
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場所 |
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出演者 |
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参加方法 |
無料(定員700名先着順) ※未就学児童はお断りしています。 |
主催 |
東京工業大学 工学院、物質理工学院、環境・社会理工学院 |
後援 |
公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団 |
プログラム(予定)
詳細は当日発表しますが、決定済みの曲目は下記です。
前半(17:30 -)
- ポッパー:ハンガリアン・ラプソディ
- ドビュッシー:月の光
- カプースチン:8つの演奏会用練習曲より「トッカティーナ」
- バルトーク:ルーマニア民族舞曲集
- ラヴェル:古風なメヌエット(木管五重奏版)
- ビゼー:カルメン幻想曲(木管五重奏版)
- ドヴォルザーク:アメリカ(木管五重奏版)
- ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲
- ドビュッシー:シャルル・ドルレアンの詩による三つの歌(トロンボーン四重奏版)
後半(19:00 -)
- オリヴィエ・メシアン:世の終わりのための四重奏曲(藝大グループ)
出演者プロフィール
当日のプログラムに掲載します。
- 藝大生と東工大生による名曲コンサート&メシアン 世の終わりのための四重奏曲 チラシ(表)
- 藝大生と東工大生による名曲コンサート&メシアン 世の終わりのための四重奏曲 チラシ(裏)
- 登録有形文化財 本館・西1号館・70周年記念講堂|キャンパス案内|東工大について
- 日本フィルハーモニー交響楽団
お問い合わせ先
東京工業大学 物質理工学院 応用化学系
准教授 小西玄一(世話人代表)
E-mail : gkonishi@polymer.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-2321