工学院では、著名な講師の方々をお招きして、特別セミナーを開催しています。
今回は、ジョージア工科大学のDavid L. Hu先生にご講演いただきます。
講演内容
驚くべき昆虫の集団行動について、2つのモデルをご紹介します。ヒアリ(Fire ants)は洪水を生き延びるため、身を寄せ合って浮体となります。私たちの機械的な検討により、この筏が液体の柔軟性と固体の弾性を兼ね備えていることを明らかにしました。一方、アメリカミズアブ(Black soldier fly)幼虫は腐敗した果実や死肉を食べるのですが、その際には幼虫の集団がコヒーレントな流れを形成します。これによって摂食効率が高まっているのです。このように、昆虫個体の動きが全体として望ましい機能を生み出しているのです。
講演者の紹介
David L. Hu博士は機械工学の研究者で、犬が体をゆすって水を跳ね飛ばす現象、昆虫の水上歩行、まつげのドライアイ予防効果など、水と動物との関係を研究しています。MITで数学と機械工学の学位を取得し、現在はジョージア工科大学にて機械生物工学の准教授および物理学の兼任教授を務めています。Hu博士はNational Science Foundation CAREER award for young scientists や「中国のイグノーベル賞 」(the Pineapple Science Prize)を受賞しており、「How to walk on water and climb up walls」といった書籍を著しています。これらの研究はNHKの「ためしてガッテン」でも取り上げられました。
日時 |
2018年8月29日(水)14:00 - 15:00 |
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場所 |
東京工業大学 大岡山キャンパス 大岡山南5号館1階 S516講義室 |
対象者 |
生物システムのモデリングや自己組織化システム、生物規範ロボット等に興味・関心のある学内外の研究者・学部学生・大学院学生等 |